時代は進み続けている。

「死亡退院」という精神科病院の滝山病院における患者虐待等の内容の番組が話題になったが、その反面、G'7障害と権利の憲章である「ソルフィニャーノ」憲章に三原じゅん子特命担当大臣がサインする等、時代が前進する流れは起きている。また、障害者就労支援施設における不祥事の発覚など、精神保健福祉に関する目は厳しくなってきている。今までの精神科病院が患者の人権を無視してやり放題をする事例は、これからはかなり困難になり糾弾される様になるのではないかと思う。

大きなトピックとしては、人気ロックバンドサカナクションのボーカル、山口一郎さんのうつ病告白とNHK特番、そして療養しながらの音楽活動の継続と、名前を出して悪いが「ツレがうつになりまして。」の旦那のような社会批判に単純に走らないところが「さすが山口さんだな」と僕は思った。


話を進めると時代は進んでおり、滝山病院の事件はたしかに酷いのだが、これは全国の精神科医療の意識的、制度的老朽化の現れとして捉えられ、50年前の精神医療法から接ぎ木するように進めてきた精神保健福祉制度自体に、法制度も含めて無理が来ているのではないかと考えている。ある意味大きな改変を迫られることになるかもしれない。

また、山口一郎さんの例を持ち出すが、あれが患者の実像に近いと思うし(異論のある精神科医もいそうだが)、患者の意識はあんなものである。治療と服薬をしながら普通にやっているという感覚である。山口さんは福祉に関係することがないので、彼らから「劣っている」とは言われないだろうが、僕は何度も福祉関係者や事業者に言われたか分からないので、本当に馬鹿な連中だと思う次第である。心の病の患者も病気の調子に合わせてできることややりたいことをやればいいのである。

就労支援制度を含めた制度設計や社会における精神疾患患者に対する認識も遅れている部分が大きいが、時代の先端はG7のソルフィニャーノ憲章や山口一郎さんのレベルまで来ているし、実践者や後続者は増えていくことは予想に難くない。その考えで行くと、これまでの精神保健福祉または社会認識や法制度は制度疲労を起こしていくのではないかと予想する。

滝山病院の事件も一病院の失態のように思えるが、精神科医療が制度疲労を起こしてきていることを示す一例だと思うし、G7憲章、地域包括支援、退院促進、山口一郎さんの特番といい、時代は確実に進んでいる。僕の考えでは不可逆的な流れだと思う。

一山越えたのでは?と思うところではあるが、時代の進み具合は予想できないので、未来が見える予兆が現れたとだけは断言してこの文章を終えることにする。

精神保健福祉の未来へ!

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